
既設コンクリート道路橋の桁端部の腐食環境を改善するための技術開発を国立研究開発法人土木研究所と共同で研究しています。
既設道路橋の桁端部は伸縮装置部からの漏水により厳しい腐食環境に曝されています。特に凍結防止剤の散布される地域では漏水した水に塩分が含まれているため上下部構造の深刻な劣化損傷に繋がる場合もあります。
このような桁端部の腐食環境を改善するため平成25年より国立研究開発法人土木研究所と共同研究を実施し、路面から桁端部遊間内に浸入した水を受けて橋の側面に排水するための装置を開発しました。
開発した排水装置は上部にV字の排水面を有した中空断面のゴム製で次のような特長を有しています。
排水装置断面
排水装置の施工は、装置を所定の位置および勾配に設置できるよう遊間内に仮受け用の仮設材を設置し、その上に真空ポンプで装置内部の空気を吸引して圧縮した状態の排水装置を遊間内に引き込んだのち真空状態を解放して定着させます。仮設材を撤去して最後に流末に排水枡および排水管等を設置して作業完了となります。施工手順の一例を示します。
本装置は2橋の試験施工と1橋の施工実績があり、遊間量に応じ50mmタイプ、75mmタイプ、100mmタイプ、150mmタイプの4種類が使われております。下の写真は50mmタイプと100mmタイプの施工例です。
排水装置に関するお問い合わせは開発部までお願い致します。